【アクロス福岡】 福岡には地下鉄直結の山があるらしい!

アクロス福岡

今回はアクロス福岡へ来てみました!

 

基本情報

所在地:福岡県福岡市中央区天神1丁目1−1
アクセス:地下鉄 天神駅 徒歩1分
竣工年:1995年
事業主:第一生命保険・三井不動産・福岡県
ランドスケープ企画・設計:プランタゴ
ランドスケープ施工・管理:内山緑地建設
敷地面積:14,000㎡

 

みどころ

ステップガーデン

アクロス福岡のコンセプトはずばり"山"です。

 

 

設計者のプランタゴ代表の田瀬さんは、設計のイメージを、クライアントや施工や管理にかかわる現場の人たちにわかりやすく伝えるために、このアクロス福岡を“天神岳”と呼んだそうです。("天神"はアクロス福岡の位置する街の名前)。

 

 

 

 

 

アクロス福岡の山に見える部分がこのステップガーデンと呼ばれる階段状の植栽です。

 

 

 

公園側。まるで山ですね。

 

 

 

 

(画像出典:Wikipedia)

公園側の反対側は垂直にガラス張りの壁になっています。有機的な「ステップガーデン」と無機的な「ガラス張り」のコントラストが非常に都会的ですね。

 

 

 

しかもこのステップガーデン、登れるんです!!

 

 

 

私も実際に登って見ましたが、木の茂り具合といい、まさに"登山"でした。

 

 

 

ぜひ遊びに行った際は登ってみてください!

 

 

 

 

成長する"山"

(画像出典:森と水の郷あきた

 

 

さきほど紹介したように、アクロス福岡は"山"をコンセプトにしています。

 

 

そのため最初の数年は、植えた苗木がまだ小さく、遠目にも緑が薄いので"コンクリートのピラミッド"などと批判されたり、事業主の方から「植えられている木が少ないじゃないか」とクレームが入ったそうですが、苗木の段階からしっかりと育成し、「山」に成長させるというコンセプトを貫いたそうです。

 

 

 

完成当初は樹木が76種、37,000本を植えたのですが、今では120種、50,000本にまで成長したそうです。

 

なぜこのように樹種が増えたかというと、限りなく自然に近い生態系で植物や動物を見守っているため、植えた覚えのない木が野鳥などのよって運ばれてくるそうです。

 

 

 

まさに山ですね!

 

 

 

You Tubeにアクロス福岡の変遷をまとめた動画がUPされていました。

 

 

 

こうしてみると初期のころからどれだけ"山"が成長したのかが分かりますね!

 

 

 

植栽管理

(画像出典:福岡TOUCH

 

 

アクロス福岡では剪定などの維持管理で発生した枝や葉っぱなどを捨てることなく小さく刻み、腐葉土になるように植栽地に残すそうです。

 

 

 

なので人工のゴミ以外は回収しないという徹底ぶりです!

 

 

 

また通常、いわゆる都市の庭には潅水装置というものが設置されていて、水道水を使って水やりをやっています。アクロス福岡は非常用に潅水装置は設置されてはいるものの、まだ一度も使用していないとのこと。

 

 

 

このようにかなり手の凝ったメンテナンスをしているようですが、「潅水をしない」ことで水道代がかからない、「枝を刻む」ことで、ごみ処理代がかからない、肥料代がかからないので、トータルの年間管理費用は想定よりかかっていないそうですよ!

 

 

 

口コミ

中はパスポートセンターがあったり、地下に天ぷらひらおがあったり、地下から市役所、天神地下街へと抜けれたりと便利です。
昼間は外の公園側から段々になったビルの外側を登れます。「アクロス山」と呼ばれたりするスポットで、ちょっとした階段登山ができます。
ビルとは思えないほど木がたくさん植えてあり、秋にはドングリもたくさん落ちます。途中にベンチもあります。
眺めの良い頂上めざしてわいわい登るのも楽しいです。舐めてるとわりかしきつく、ゆっくりならちょうど良い運動になるのでは。
ごほうびの眺望を楽しみにするなら天気の良い日をお勧めします。
登れる時間は決まっているので夜は登れないです。

 

九州各地の観光ガイドコーナーがありレストラン街も地下に有るし 地下鉄との流れも便利。
そして アクロス山は 今や1つの生態系を創っているほどでまさに 山!
頂上(?)からの眺めも良好です♪
30年ぶりにきましたが、外観の異空間さがさらに増していました。福岡を象徴する素晴らしい建物ですね。
開業当時を知る方には成長を感じるみたいですね!
"山"というコンセプトが成す技でしょうか、それとも街と共に成長しているという点がそうさせるのか、大規模で派手な見た目ですが、利用者に好奇な目で見られず、愛着を持って憩いの場として利用されているのは空間づくりのお手本ですね!

まとめ

 

アクロス福岡のこだわりのある空間づくりをご紹介しました。

 

 

色々と調べることでこのステップガーデンは決して話題性や見た目だけのために作られたことがわかりますね。

 

 

しかし、こういったコンセプトで建物を造ることも大変ですが、25年と長い間育ててきたことは非常に大変だったのではないかなと思います。

 

 

ネット記事に設計者田瀬さんのこんなコメントがありました。

 

東京都心に林立する最新のビルはみんな、ハイテクで「メンテナンスフリー」が売り物ですが、私に言わせれば、正反対です。大切なのは、時間と手間を当たり前にかけること。植物だって、景観だって、手をかけるほど愛着が湧き、どんどん魅力的になっていくでしょう。変わっていくこと、育っていくことに、人は楽しみを感じるのですから。

 

 

「空間が育っていくこと、変化していくことで愛着が湧く」というのはこれからの空間づくりのキーワードになるんじゃないかなと個人的にも強く感じます。

 

 

 

また雑誌の取材にて「若手の設計者・デザイナーがアクロス福岡の実績を基に、このステップガーデンのような緑化手法が当たり前になることで、より大胆な設計・デザインが生まれるのが楽しみ」といった趣旨のコメントがありました。

 

 

 

このように「大規模な特殊緑化手法」・「時間軸を考えたコンセプト」・「経年美化、コンセプトを実現する管理方法」と、アクロス福岡がランドスケープに与える影響は大きいと感じます。

 

 

 

本当に福岡の繁華街の中にあるようなところなので、ぜひ福岡に遊びに行った際は見に行ってみてください^^

 

参考文献

アクロス福岡 HP

みどりの風

Wikipedia

LANDSCAPE DESIGN

SWINGS

 

 

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